地中の情報を調べることができる地中レーダー探査装置
埋設している上下水道等の老朽化が要因と推定される空洞陥没事故が、近年増えてきています。
万一、空洞陥没事故によって、道路を走っている自転車や自動車が落ちれば、大惨事になりかねません。
また、土地を取引する際に、その土地の中に産業廃棄物等が埋められていれば非常に心配でしょう。
●地中レーダー探査装置がおすすめ
では、このような場合にはどうすればいいのでしょうか?
このような場合には地中レーダー探査装置がおすすめです。
地中レーダー探査装置というのは、効率よく地中の浅い部分の情報を探査するものです。
また、探査は非破壊であるため、道路にダメージを与えたりすることなく、地下を手軽に探査することができます。
地中レーダー探査の方法は、地中にある物を電磁波が屈折したり、反射したり、透過したりする現象を使って把握するものです。
電磁波を地表にあるアンテナから地中に放射して、電磁気的に違った性質がある地中の境界面等で電磁波が反射したものをアンテナで測定します。
連続的に測定した反射波を並べれば断面図ができ、反射面の広がりや深さをこの断面図から把握することによって、地下にある物を把握します。
●地中レーダー探査装置とは
地中レーダー探査装置の特徴は、以下のことが挙げられます。
①地中の情報が専用のモニターにその場で表示される。
②広い範囲を短い時間で探査することができる。
③地下の状況によって探査深度は変わる。
地中レーダー探査装置の探査対象としては、道路面の下の空洞、地中に埋設しているガス管・上下水道管、信号・電力ケーブルなどの管類、遺構・遺跡、地下に埋没している物、コンクリートの内部にある鉄筋、地層の構造、等が挙げられます。
なお、これ以外に、誘電率の違いが地盤とあるものであれば探査することができます。
地中レーダー探査装置の調査事例として、道路面の下の空洞調査についてご紹介しましょう。
地中レーダー探査を、空洞があるかどうかが心配されている道路で行いました。
探査した結果、異常反射を地下の0.4mあたりで検出しました。
異常反射があったところを削孔すると、実際に空洞がありました。